梅原猛の現代語訳「古事記」を読んで、「古事記」は文学の書であるとうところから、魅了されて初めから「古事記」を読み始めました。
記紀といわれるくらいですから、「日本書紀」も同時に平行して読み進めてきました。
古典ですから、やはり難しい。現代語訳や解釈を参考にしながら、読み進めるのですが、やはり時間がかかります。
やっとのことで、天孫降臨のところに来て、難解な部分がたくさんあることに気づき、特に韓国との関係で注目できる部分をピックアップしてみました。
重要な箇所は以下の通りです。
天の浮橋にうきじまり、そり立たして、筑紫の日向の高千穂のくじふるたけに天降りまさしめき。
「古事記」
ここに詔りたまひしく、「ここは韓国(からくに)に向ひ、笠沙のみさきを眞来通りて、朝日の直(ただ)す国、夕日の日照る国なり、故、ここは甚吉き地(ところ)」と詔たまひて、
「古事記」
1.うきじまり、そりたたして
この箇所は邇邇芸命(ににぎのみこと)が天下る場面で、その様子を述べた解されるのですが、「うきじまり」と聞いても、普通の日本人が聞いても、難解ですね。
予想がつくのは「うき」という文字から、何かが浮いているということが想像されます。
その次の「じまり」ですが、「じま」は島のように聞こえます。最後の「り」ですが、「あり」が短くなったものか。
と考えると、浮いている島があった。このようになりそうですが、
しかし、解説ではまだ未詳と書かれています。つまり、通説ではまだ明らかではないのです。
つぎに「そりたたして」です。「そり」というとすくっとたつというニュアンスですよね。「たたして」も立つということになるでしょう。
【SoftBank光】フレッツ光をお使いなら、工事費不要!簡単乗り換えで月額がさらにお得に!2.筑紫の日向(ひむか)の高千穂のくじふるたけに
筑紫はそのごとく筑紫。九州地方を指すでしょう。
そこで、 日向(ひむか) ですが、一般的に九州の 日向(ひむか) といえば、現在の宮崎が該当しそうです。
が、日が向かう地とも解されそうです。
なぜならば、次の箇所に朝日や夕日という語が出てくるからです。
天孫降臨が「日」「太陽」と関係があるようにも思われてきます。
そして、高千穂。これは地名でしょうか。もちろん、高千穂という地名はありますが、高はたか、穂は稲穂ですから、高く積み上げられた稲穂と解釈するのが、一般的なようです。
しかし、地名となると、宮崎の高千穂か、霧島の高千穂かという議論があります。
もし、地名だとすると、特定させることは別として、この宮崎、鹿児島付近と考えることができそうです。
そして、問題のくじふるたけ。「くじふる」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
アニメLP【自由テキスト2】「古事記」小学館の解釈では「く」は奇、「し」は石、「ふる」は旧ということで、霊妙な石が年月を経て山になった。としています。
韓国の慶尚南道には古代三国時代に加羅という国がありました。この神話にキムスロ王がある山に降臨するという話があるのです。
非常に日本神話の天孫降臨に似ているのです。垂直型降臨神話なのですが、もし共通するものがあるならば、その神話の形態が注目されます。
そして、このキムスロ王が降臨する峯を韓国語で「くじぼん」というのです。
漢字で書くと、「くじ」は「亀旨」であり「ぼん」は峯です。
民は王が降臨するのに歌舞の準備をするのですが、その歌には「亀はどこだ。首をださないと、焼いて食べてしまうよ」という歌を歌いながら、準備するのです。
ですから、くじとは「亀旨」と言葉が使われると推測されます。
「古事記」にもくじふるの峯が登場します。はたして、この「くじ」ふると加羅の「くじ」とは共通したものなのでしょうか。
3.ここは韓国(からくに)に向ひ
最終的に降りて宮を作るところを、「韓国に向かっている」ところと定めます。
ここでいう、「からくに」が問題です。
日本書紀では「そしし空国(むなくに)」となっています。
よって、近世の国学者本居宣長はここを「不毛の地」と解するのです。なぜならば、書紀に空国という漢字があてられているからです。
しかし、問題はその 「空国(むなくに)」 の前に修飾してある、「そしし」をどう解釈するかですが、
漢字から解釈して、せなかのほね、せなかのまわりの肉がない、そのような国。つまり、荒れはてた不毛の国という解釈がなされます。
もし、韓半島との関係がゆるされるなら、「そしし」は「そ」の国。
「そ」とは今のソウルとかソラブル(新羅の都)とかの「そ」と共通しているとも考えられます。
ソウルやソラブルは都という意味があります。
いずれにせよ、ここも難解でることには違いありません。
「古事記」に記された、「韓国」とは何か。
1)不毛の地
2)韓半島
を意味するかどうか。
4.韓国とはどこか。
もし、天孫が降臨するのに不毛の地に降臨するとするかどうかです。
降臨するにはやはり、日の照りかがやく、心地よい地に宮殿をつくるのではないでしょうか。
そうすると、韓国は、日の照る国と考えることがいいのではないでしょうか。
韓半島は「朝鮮」ともいいます。
この漢字はみてのとおり、朝日が鮮明なところ。と解されます。
朝日が照り輝くとこrは、実際に太陽の位置や天体の関係よりも、そういった古代人の意識にあった、太陽と関係してくるのではないでしょうか。
「古事記」編集するにあたって、それ以前の古い伝承の中に、朝鮮への意識が入っていたと思われるのです。
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