私は韓国のとある短期大学で教員をしていました。その経験から、短期大学での留学や韓国学生の様子をつぶさに見て過ごしていました。
それをもとに、今日はその大学での様子を含めて、今後韓国留学特に、実用的な学科を検討している読者さんに向けて綴りたいと思います。
今韓国では
韓国と言えば「学歴社会」
受験勉強に明け暮れる毎日。
大学に入っても、資格の勉強や、就職のために猛勉強。
といった風景が頭によぎると思います。
いまだにその傾向は変わることはありません。ですが、ここ10年の間で、徐々に変わってきているようです。それは
一生懸命大学受験で名門に入っても、就職ができなかったり、途中で解雇されたりということが起き始めているからです。ただその割合はどのくらいかは、はっきりしていません。
有名企業に入ることで、安定した収入をえて、キャリアをあげていっている人も多いでしょう。というよりは、大学ですべては終わりでなく、その後を見据えて、常に勉強やキャリアを積んでいっている人を見かけます。
依然は大学卒で終わっていた競争が、卒業後の人生にまで及んでいるといってもいいのでしょう。
ただ、これに対して、いくら勉強しても世の中で使いものにならなければ、意味がない。就職も昇進もできなかったら、それよりも「手に職を」という考えが広まってきます。
つまり、より実用的な学問( 実技科目)に注目が集まるのでした。たとえば、料理、美容、デザイン、プログラミングなどといったところでしょうか。また、最近は独身者や高齢者がペットを飼う傾向があり、
それに関連する病院、ホテル、食料品が人気を集めています。街を歩けば、そんなペットに関する施設やお店が至るところに出会います。
学歴社会は「単なる卒業」だけでは足りなく、それと同時に社会に必要とされる何かが、要求されつつあるといえるでしょう。
これは、学歴社会がなくなったことを意味しないと考えることが必要です。
留学の資格
実用的なこと(実技・技術)を学ぶところは、短期大学と学院(ハグォン)というところに分かれます。韓国の大学には、この実用的な学部、学科が増えているといえます。その代表的な大学が、以前は短期大学といわれた、大学となります。
なぜ大学というのか。卒業後、3~4年の単位も取得し、学位を取得できるからです。よって、正確には実用的な学問を学ぶ、「4年生大学」となります。
では、日本人学生が留学するにはどんな資格がなければならないか。いうまでもなく、学生ビザでしょう。これは、入学が許可された大学から入学許可書が発行されれば、大使館でビザが発行されます。
それから、財政証明が必要で、保護者や留学費用をサポートしてくれる人の同意が必要となり、残高がある程度必要です。
後は、高校の卒業証明や戸籍謄本というところでしょう。
一番厄介なのは、やはり韓国語能力試験だと思います。韓国語能力試験が1~6級までありますが、6級が一番高いレベルで、3級保持が条件となっているところがほとんどでしょう。
では3級がなければどうするか。
語学堂に通うということとなります。
ある大学は3級に同等の資格があれば、入学が認められます。ので、まずは、語学堂に通いながら、授業を履修して、その延長で韓国語能力試験を受験するというのがいいでしょう。
大学の中に語学堂がある。このことも考慮してみてください。
留学の様子
留学の様子はどうでしょうか。
まずは生活に関していえば、寄宿舎で過ごすか、ワンルームを借りるかでしょう。寄宿舎の場合、警備などはしっかりしていて、寝泊まりに不自由はないようですが、2~3人の部屋に入居のパターンが多く、プライベートを大事にしたい場合は、ワンルームがいいでしょう。ただワンルームは孤独かもしれません。
寄宿舎は自炊ができなかったり、洗濯などは不便があるかもしれません。よって、ワンルームやアパートが生活に不便はなさそうです。
大学を選ぶときに注意する点は、
通学です。
韓国の大学には、都心から離れている、あるいわ、駅からかなり遠いところもあるんです。その場合はスクールバスなどを利用したり、電車やバスを乗り継いで通わなければならない。
よって、駅から近いとか、ソウルから近いということも念頭にいれましょう。
さらに、学校の周りや、寄宿舎の周りには何もない。というところもあります。やはり、インフラがあったほうが、留学生活は楽しめます。これは非常に重要かもしれません。
実際韓国の大学生はどんな日々を送っているでしょうか。一言で、
課題に追われる毎日
これです。留学生といえでも、これは例外ではないと思われます。日本の大学も同じかと思いますが、韓国の教授も厳格な人が多いように思います。
特に、韓国では教授や先生の指示は絶対であり、その辺も日本と空気が異なるといっていいでしょう。(日本の学生はこの点でかなりしんどくなるかもしれない。言葉も通じないと余計にストレスとなる。ので、早く仲のいい韓国の友達をみつけること)
上記の内容に関連して、その大学にメントリングのサービスや日本人のアドバイザーさんがいることも大きいのです。
よく大学には留学生を管理する部署がありますが、韓国人の先生が勤務しています。それでも、大学には各国のスタッフがいて、相談に乗ってくれるところもあります。
このこともよく調べて、学校選びをしてみてください。
最後に、留学費用ですが、短期大学は比較的安く、一学期300~350万ウォンでしょう。ただ、韓国は物価が日本と変わらない、いや日本よりも高いことを覚悟した方がいいでしょう。食費や交通費も日本と変わらない、いやそれ以上かもしれません。
韓国でのバイトも念頭にいれることもおすすめです。
卒業後は
卒業後は、就職という流れになるでしょうが、
私が見ていて、現実には、すぐに就職できる日本人の留学生は少なかったようです。
また、韓国にそのまま残りたいという学生も多いのですが、韓国での求人はそれほど多くないと見たほうがいいでしょう。
そのまま残る方法として、3~4年生へ進学するという方法です。
今まではこれは「深化コース」といって、短期大学が学部の学位を授与できる制度で、以前は外国人留学生にはビザが発行されなかったのですが、
ビザ発行が可能となりました。
よって、同じ大学で、そのまま同じ専攻科、転科(異なる学科を選択)しながら、3年と4年の授業をとれるのです。
しかし、これらの授業は夜間の場合が多く、18時から22時くらいの時間帯がほとんどでしょう。
つまり夜勉強するのですね。
ただ、昼間、自由な時間を活用して、他のハグォンにかよったり、アルバイトをしたりと、活動の幅は増えると思います。
また2年で卒業して、他の大学に編入もできます。
最後に、短期大学は実用的な学科が多く、学問というよりは、「実習」が多いでしょう。
私の勤務していた大学は「理容ビューティー」「航空サービス」「外食調理」「繊維デザイン」などに日本の学生が多く留学していたようです。
設備や立地条件などを含めると、非常に留学するには最適かと思っています。
大学は「富川(プチョン)大学校」という 韓国語で부천대학교という大学です。学費も奨学金があったり、語学堂もあり、リーズナブルな学費で韓国語が学べます。
大学は大きくないですが、駅から近い、ソウル、インチョン、金浦から近い、寄宿舎が完備。などですね。デメリットとしては、寄宿舎では自炊できない。日本人の就職への実績が乏しい。日本人は少ない。などでしょうか。
もし関心があれば、管理者(ファナム)にお問い合わせください。大学の方におつなぎします。
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