今回は20年韓国で過ごした私の経験を踏まえて、韓国で日本語の大学教授になる方法をお伝えします。
まずここで強調したいことは、日本語教師の資格つまり「日本語教育能力検定試験合格証」があればいいが、なくても日本語教師にはなれるところはあるんです。では何がもっとも大切なのでしょうか、
それは、大学を卒業していることとなります。
次にすべきことは
大学院に進むことです。
では具体的にその方法や過程をみていきましょう。
1.経験(日本語学校、企業の出講など)を積むこと。
質問:韓国で日本語教師になるにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは、韓国で日本語を教えたという経歴を積むことが大切です。
日本で経歴を積むのもいいのですが、韓国人に教えるという観点からすると、韓国現地での経歴が重視されるでしょう。
日本での経歴に関しては、日本語教師よりも、社会経験つまり、就職したとかアルバイトをしたとか、そのような社会経験が問われると思われます。
質問:韓国には日本語を教える学校や機関は多いのでしょうか。
以前よりは減ったかと思いますが、日本語の受容自体は減ったとは思いません。韓国では日本語教育の受容は減らないとみています。
そういう意味で、日本語を教える日本語学校、韓国語ではハゴン학원といいますが、そのようなところで経験を積むことは大切です。1年ほどすると、韓国語も覚え、韓国での仕事にも慣れてくるでしょう。また、高校や企業の出講もあります。
こちらは、ビザがでない可能性があるので、日本語学校でビザを発給したあとに、日本語学校で働きながら、出講をするという形になるでしょう。
2.大学院に入学し、修士学位を取得する。
次に大学院という壁があります。これは、韓国にある大学院がいいかと思います。韓国語を勉強しながら、韓国で学位をとるということです。
質問:大学院ではどんな専攻がいいのでしょうか。
これに関しては、個人的な意見ですが、何でもOKです。ただし、現場で教えるとなると、やはり語学関係、教育、心理学、文化といったところが無難でしょう。
大学院の専攻を選ぶときには、教育関係がいいかと思います。しかし、自分に関心がなかったり、言語のハードルが高かったりするのは、勉強に支障がくるかもしれないので、慎重に選びましょう。
韓国語で授業やレポートを書いたり、最後は論文を仕上げるのは、韓国語の読み書きが必要です。
あとは、指導教授といかに良好な関係をつくれるかも大切です。韓国は人間関係を重要視します。勉強だけしていればいいとはいえないようです。
3.4年生大学の卒業
質問:日本で取るべき資格は何でしょうか。
日本語教師の資格はあればいいですが、必須ではありません。大学の教授になるにはですが。
大卒というのが一番大切となるでしょう。
この大卒というのは、日本語学校での経験を踏むときに、「大卒」であるかどうかが問われます。いわゆる、外国語を教えるビザをを発給するのに、最低限の資格となるのです。
また、大学で就職するにも、「大卒」が問われます。専攻は何でもかまいません。
私が思うのですが、日本語を教えるのに、日本語教育だけを専攻したというのは、どこか偏ってしまっているのように見られます。
理系であっても、芸術であっても、そいういった日本語教育とは異なる専攻をもつことも一躍注目されるでしょう。
結局色々な経験をしているということが強味になるのです。
さらに
韓国は学歴社会なので、この「大卒」というのが尊ばれます。
就職の条件だけではなく、普段の韓国人との会話の中でも、どこを卒業し何を専攻したかをよく聞かれます。
4.求人などはどのように見つけるのか。それとも人脈か。
質問:大学の就職はどのように探すのでしょうか。韓国は人脈社会と聞きますが。
hibrainというサイトが有名です。リンクは韓国語ですが、こちらです。https://www.hibrain.net/
人脈ということをよく韓国社会を話すときに出てきますが、これを期待することはできないでしょう。というよりそれを目当てに人と友達になろうとするのはよくないです。
王道が求人から願書を出す。と韓国人と深く交わる中でどこからか紹介の話が舞い込んでくるという感じのものがいいでしょう。
求人サイトを利用し、就職時に常にサイトを見ながら、履歴書を送るということになります。おすすめは首都圏よりも、京畿道といわれる郊外にある大学か短大の教養課程の先生です。
ソウル圏はほぼ日本と提携している大学から招請されて就職している人が多いでしょう。また競争率も高いと思います。ただ、
ソウル圏の大学は待遇がいいので、そちらも狙ってみるのもいいでしょう。待遇が1.5から2倍ほど異なります。
ただ4年生の大学はたいていは、任期も2~4年ほどと決めれらていて、延長がなかったりします。
それに比べて、京畿道や地方の大学の場合は、1年ごとの契約ですが、期限がほとんどなく、延長できるとろが多いと思います。ただ心理的に困るのは、1年ごとの評価や審査に通ることが必要です。これは少しストレスになるかもしれないですね。
前向きにとらえると、1年ごとの更新があるということは、継続して勤務できるという立場も与えられているということになるでいいこともあるのである。いかに更新ができるかを常に考えその学校で必要とされる人材になることが大切です。
日本人の場合は、しっかり仕事をこなし、学生からも信頼されることが多いので、そこは気楽に過ごして仕事をしても問題はないと思っています。
5.韓国語が話せること
最後にこの韓国語の能力についてお話します。
質問:韓国語はどのくらい話せればいいのでしょうか。
大学で教えるので、かなりの能力が求められます。
日本人だから、日本語で教えることは不可能です。もし日本語学校であれば、会話のクラスでしかも少人数では可能です。
しかし、大学は多くて40人、少なくて20人前後です。
その中には日本語は初めてという人も多いのです。
韓国語は話して、聞けるレベル。そして、大学の行政もある場合は、高度な読み書きが必要となるのです。
ただ、英語のネイティブの先生は、韓国語が話せず、英語だけで仕事をしている人はいます。どうしてか、
日本人は、韓国語が話せるということを、前提にしているようです。
これは、就職の面接で、韓国語が話せると、大きなポイントになります。
以上が韓国で日本語教師の資格なしで、大学の教授になる方法となります。給与や待遇に関してはまた機会があればお話しします。
しかし、
日本語教師の資格がなくても絶対大丈夫だというものではありません。
最近は、「学位」と同時にやはり「日本語教師の資格」を求める大学も多くなっています。
また、要求されなくても、教えるプライドという点では
「日本語教師の資格」つまり
日本語教育能力検定試験に合格する
ことは大切だと思います。
韓国で過ごしたい、日本語教師に向いている、そして研究が好きだという人が、
韓国の大学教員に向いていると思われます。
大学教授は韓国では、あこがれの職であり、尊敬される職です。
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