韓国「半地下」「地下」の構造と「地下駐車場」からみた韓国文化。

史蹟・歴史
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韓国映画『パラサイト半地下の家族』がアカデミー賞で英語以外の外国語映画で初の作品賞を受賞した。

それ以外にも国際映画賞、脚本賞、監督賞も受賞したことは日本でも大々的に報じられている。

これは韓国のいわゆる格差社会をテーマにしているといわれる。

そこに登場するのは「地下」「半地下」「高台の豪邸」の三つの格差である。

以前韓国では『不動産階級社会』という本が出され、人々に衝撃を与えた。

そこには6つの階級がわかれ、羅列されている。もちろん地下は最下層である。

地下の生活を強いられている割合は2%で36万世帯だという統計がある。

ムン・ジェイン大統領もこの格差や住宅バブルのリスクを認め、それへの改善にのりだしている。

韓国では住宅への投資が過熱している。

それに伴い、格差社会も拍車をかけているといわれるのである。

そういったなか、注目されているのが、住居。

確かに私も、韓国に来た当時異様に感じたのは、半地下という構造であった。

一部だけかと思いきや、どこにでもあるのである。

もちろん、地下もある。

見た目は普通のアパートやマンションなのであるが、よくよく見てみると、地下や半地下があるというわけである。

今日はこの格差を述べようとするのでなく、視点をかえて「地下」という韓国人の意識に焦点をあてたいと思う。

それは、もう一つ、地下というとまっさきに思い浮かべるのが、「地下の駐車場」である。

韓国は車社会。あちこちに駐車しているのを見かける。やはり、車が多いからしょうがないかと思っていた。

どこにでも駐車される車道

しかし、それは目に見える駐車された車。

もっと多くの車が隠れている。

それがどこか。「地下」なのである。

地下に車が駐車されているのを私は発見したのである。

それも、地下一階だけかと思いきや、地下に何層にも連なる構造となり、

多くの車が駐車できるようになっているのである。

それと驚かされたのは、その構造しかり、その豪華さ。

まるで、地下にもう一つの世界がある、地下の世界に案内された気分なのである。

そして、飲食店や商店にはかならず地下がある。そこに、倉庫だけでなく、飲食店あり、スーパーありなのだ。

そういえば、ソウルにある主要地下商店街は、どこまでも道が続く。

その地下街は無数の商店がつらなっているではないか。

ヨンサン駅やチョンノ(鍾路)は安くて、手ごろな服や小物がいっぱい。

以前南北の関係が緊張していた冷戦時代はそこが、避難所の役割もできた、シェルターの役割も兼ねているということも聞いたことがある。

そんなことにも影響があるとは思われる。がそれと私が思う視点を紹介したい。

それは、韓国の上下思考という考え方である。

これは、日本と比較するとわかるかもしれない。

日本は横にひろく、庭をつくったり、まわりが見渡せることを望んでいるように思われる。

海にかっ込まれたこの国は地平線が見えることに何か安堵感をおぼえてるように思える。

実際、古来から日本人は来訪神つまり海のかなたから訪れる神を祭ったり、信じていた。

だから、訪問する人は丁重にもてなすのである。

しかし、韓国ではどうであろうか。地平線など見る機会はない。山に登ればみえるのであるが、周りはすべて高層ビルか高層アパートである。

また、山に囲まれているという地理的な状況もある。

ソウルは山に囲まれているのである。

韓国は横にスライドしていくのでなく、縦に上がるか、下に向かうかという観点が強いように思わるのである。

つまり、日本が横とう水平思考ならば韓国は縦とうい垂直思考が強いことなのである。

空と地下という垂直の観点が強いのではないかと思われる。

以前上昇志向に関しては述べたのであるが、逆に下に降りている思考も強いのである。

よって、ビッラやアパートを作る際には必ず、地下や半地下を作る。商店街も地下に作る。駐車場も豪華な地下をつくるという具合である。

垂直思考から物事を考えるので、より高い地位、所得、名誉、なんどを求める傾向があると考える。

そこから、格差が生じているということも言えよう。

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