韓国の大学に数年間勤務して思うことは、日本からの留学生が増えたという実感です。コロナ禍であっても、その勢いはとどまることをしりません。
そんな日本からの留学生や海外からの留学生と接したりすることで、感じてきた私なりの感想と最近の状況などを綴ってみたいと思います。
留学をする上で参考になればと思います。
日本の学生は大歓迎
韓国への留学を希望するのは日本人だけではありません。全世界からやってきます。ビザが発行されないところを抜きぬすれば、ほぼ世界の各国から来韓するといっていいでしょう。
そんな留学生の中で、ひときわまじめでさらに、評判がいいのが、日本人学生です。一言でいえば、成績がいいということです。また、欠席や遅刻はないといった態度にも反映されているのでしょう。
とにかく、先入観もあるかもしれませんが、教員の中では、日本人学生を悪く言う人はいません。日本人は普段通り通学していても、他の海外の留学生と比較されることで、際立ってしまうのでしょうか。
つまり、勉強しない、宿題しない、欠席、遅刻をするといったことが、目につく学生がいるということです。
大学では学生の退学や中途、などを極力さけてもらうように配慮します。もし、学生が途中で退学や帰国をしてしまったら、それが学校の評価にも響くからです。
学生自身にもマイナスですが、学校にもマイナスというわけです。
とにかく、脱落者がでないことを望んでいるのです。そこで、もっともその期待に応える国は日本であり、日本人学生は大歓迎となるのです。
ある大学の留学担当者に話しを聞いたのですが、留学生が入学するための条件が掲げれれるのですが、日本人はそれには該当しないというのです。
日本人は無条件で入学できるといっていたのが、印象的でした。基本的な書類はもちろん必要ですが。
韓国の大学では日本人学生に対してはとても好印象をもっています。これは、韓国語を日本人が学びやすいということからくるのもあるでしょう。
少し勉強したら、すぐにうまくなっていく実感があれば、留学生活も楽しいですからね。実際、留学生の中には韓国語は難しいという人は多いのです。
日本の学生の適応力は?
さて日本人は評価がよく、大学でも歓迎しているといいました。では、留学生活において、授業についていったり、生活はスムーズにいっているでしょうか。
これに関してはそれほど問題になった例はありません。が、
授業の速さ、つまり、韓国人の講師のスピードについていけないという感想を聞いたことがあります。全員ではないですが、たまに聞くのです。
韓国の授業雰囲気や先生の教授法は日本と異なります。どうことなるか、これを具体的に述べることは簡単ではないですが、まず
速さ。です。
この速さは韓国人らしいといえばそうですが、外国人が韓国語で理解するのは、結構集中力が必要かもしれません。韓国語自体が早口のように感じるからということもありますが、
やはり、韓国の人は早いのです。
これについていけるタフな精神が必要だと思います。
そして、それにともなって、そんな早く済ませようとする韓国社会に適応できるかでしょうか。
街のお店で何かを注文するときに、小さな声で尋ねると、
ちょっと、嫌な顔をされます。これは、お客が何を望んでいるのかを早くキャッチしたいのに、そうならないので、もどかしいということの表れとなります。何かを尋ねるときは、日頃よりやや大きめの声を出すようにしたほうがいいのです。
留学生活が進めば進むほど、日韓の文化や行動の差を実感すると思います。もちろん、好きで韓国に来たとしても、20年間日本で住んで生きてきた習慣と異なると、そこにストレスを抱えてしまうかもしれません。
日本の学生はここが大きな留学生活の分かれ目のようにも思います。よって最初から
日本と韓国は「異なる」と覚悟をしていくといいと思っています。
それは留学生活をしても、大学の先生はやはり、日本の先生と異なるでしょう。私も教員として常に韓国の教員と接していますが、
違います。
日本人と違うことを日々実感して過ごしています。
果たして韓国の友達は作れるか?
そして、この友達ができるかどうか。ですが。
簡単ではないと まず結論を話します。
私が現場で見ていて、韓国の学生と友達になれる機会はそうありません。これは「語学堂」留学については特にそうでしょう。ただ、大学の留学の場合は同じクラスの中で、気が合えば友達はできます。
最近の韓国の学生は、すぐに友達ができるという感じはありません。時代が変わってきています。今はスマホで一人で、遊べる時代です。実は韓国人同士でもそれほど、親密にはなっていません。
それでも十分楽しんで大学に通い、単位をとり、卒業ができるからです。
また、友達になってほしいと思っても、外国人である日本人に近寄りがたいところもあるでしょう。
仲介になってくれる、日本人の先生やスタッフがいればいいですが、それがなければ、自力で友達探しに励まなければなりません。
ただ、気が合えば、無理に探さなくても、自然と友達はできていくようにも思います。韓国の友達を作るという意識と同時に、楽に構えて気が合う友達でもできればいいという感覚で過ごしてもいいでしょう。
また、トンアリ(クラブ活動)に入ることも一つの方法です。
そして、学校側でメントリングといってペア―を作ってくれるところもあります。ただ、これも人を自分では選べるものではないので、期待しすぎてもよくないでしょう。
大学の位置はどこがいい?
大学は首都圏がいいです。そして
首都圏といっても、やはりソウルでしょう。
日本人が多いからと言って避けるのはどうかと思います。
韓国はこのソウルと京畿道が首都圏ですが、ソウルと京畿道はやはり差があり、ソウルまで行くのに時間がかかります。
ただ、仁川や富川(プチョン:仁川とソウルの間の市)はまだいいでしょう。この二つの市はソウルからは近く、ここからソウルの大学へ通学する学生も多いのです。
また、韓国語教育に歴史があり、教育システムがしっかりしているところもおすすめです。それは教育や教師の質にかかわっているといえるでしょう。「質」のよい教育を受けられるかどうか、
それは、やはり歴史のある大学がいいと思われます。授業料で決めることはおすすめしません。
卒業後の現実
最後に卒業後の進路です。
私が見る限り、卒業後は日本へ帰国する人が多いようです。
日本の卒業生が韓国で就職する人は見たことはありません。最近は2年生の大学を卒業すると、そこから深化コースといって、学位を取得できるコースに留学生も通えるようになっています。
韓国の大学の就職難という事情でしょうか。当然外国人である日本人が韓国で就職するのも簡単ではなさそうです。
以上5つの知っておきたい韓国留学の事情でした。韓国語を勉強するのも大切ですが、実際韓国留学の現実などを踏まえて準備することも大切でしょう。
それには、各大学の語学堂のレビューを見れれば一番役にたつと思われます。
今年韓国留学を目指す人に少しでも役立つ情報であればと思います。韓国留学の成功を祈ります。
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