【韓国生活】静寂を求めて:騒音からの解放。韓国生活での新たな生活の一歩。

韓国の生活
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はじめに

韓国での引っ越し。

いよいよ決断した。「引っ越す」と貧乏になるという言葉があるが、「引っ越す」にはかなりの決断が必要だ。

韓国の首都圏の物件はかなり高い。いや手の届かないところまでいってしまったようだ。

現在韓国の若者が結婚しない(できない)理由の一つとして、この不動産問題がある。

つまり結婚して新婚生活をするための住まいに相当の費用がかかるとうことだ。

これによって、若い人は結婚に踏み込めない。さらには就職難ときている。

それはそうとして、本題である「引っ越し」に移ろう。私もこの首都圏の物件の高さは前々から知っていた。

今の(もう引っ越したから以前の)住まいは数十年となる。よって、その間に住宅の値段は相当上がってしまった。

だからか、「引っ越そう」としてもなかなか決断ができなかったのだ。

しかし、もう限界に来ていた。それが、今日のテーマである「騒音」問題だ。

ここから解放されるために、あらゆる手段を投じてみた。しかし、結局解決することはなかった。

日本人が外国、特に韓国で住むときに最も注意しなければならないことの一つに「騒音問題」のトラブルだと思う。

もちろん日本にも「騒音問題」はある。でもそれは比較にはならない。

今韓国社会もこの「騒音問題」が社会問題になっている。事件も多数発生している。

私はこの「騒音問題」は人間を病むことの一つとして大きな問題だと実感した。

私も精神的にまいってしまったからだ。

そして結局職場を変え、地方へと「引っ越す」ことになった。

私のここまでの経緯を述べながら、読者さんのこれからの人生の参考になればと思っている。

騒音問題の現状

では私が経験した「騒音」問題は何か。

それは以前にもブログ記事で書いたのだが、上階の住民とのトラブルだ。

上階には老夫婦とその娘(結婚しない)の3人が住んでいる。

そして近所に老夫婦の息子夫婦が住んでいる(ようだ)。その夫婦には子供がいる。

近所に家族が住んで行き来しているのだ。これも韓国的なのかと思う。

老夫婦の旦那さんは、頑固な人らしい。時に大きな声で夫婦喧嘩が始まる。またお酒を飲むと声が大きくなり、アパート周辺はその声がこだます。お酒はほとんど毎日にのように飲む。

家の前には焼酎の瓶の山だ。

声ならしょうがない。問題は足音だ。足音が私の家まで鳴り響く。そして

孫が週末ごとにやってくる。私は週末には家で休みたいが、そうはさせてくれない。

その孫の足音つまり、飛び跳ねる音は、家が崩れるのではないかというほどの’どんどん’という音だ。

そのことを家族たちは注意はしない。

子供なんだから当たり前と思っているのだろう。また、あまり韓国は子供や特にお孫さんには厳しく叱らない。

電車の中でも子供が行儀よくしてなくても、ほったらかしていることをよく見る。(放任主義だ)

子供は可愛い。でも、「しつけ」は日本よりゆるい。最近になってそれがひどくなったように思える。

「しつけ」これも日本の文化かもしれないが、とにかく韓国の子供への「しつけ」は相当「ゆるい」のだ。

こういった騒音、音がでてしまうのは、人間の住む世界だからしょうがないかもしれない。

ただ、

私にとって体にまで響いた、そして精神を病んだ「オト」がある。それが、椅子やテーブルを動かす音だ。

これは非常に体によくない。

経験したことのある人はわかると思う。自分の家のだったらそうではないだろうが、上階からのあの「ギ―」という醜い「オト」はとにかく心が病んでしまった。

ではこられのことを何も抗議せず、我慢をしていたんですか。と問われそうだが、

直接、そして間接に、数十回抗議し、要請してきたのだ。これはもう数えきれないと思う。

窓をたたき、注意したこと何十回、直接面と向かって文句を言ったこと数十回。大家を通して伝えたことも。

それでも結局改善はしなかった。

逆に被害を受けているにも関わらず、私が加害者のように、彼らの生活を制限しているという立場になりつつあった。

そして私があまりにも神経質だとも思われるようになっていった。

そして一番つらかったのが、夜中の不可解な「作業の音」だった。

これはいまだに何をしていたのかわからない。11時ごろから始まって深夜2時ごろに終わる。

なんとも表現できないが、どたどたと人が移動し、何か機械を使っている。音楽を流しながら、作業をしているようだった。

私が考えたのは、家族ぐるみで何かしらの事業をしているのか、それとも祭祀(チェサ:ご先祖様への定期的な命日の食事づくり)の準備か。といったものだ。それがいつも夜に行われる。

何をしているのかと聞いても、教えてはくれなかった。そして、彼らの家ではそんなことはしていないという一点張りだった。

騒音による影響

騒音はエスカレートする。

私の生活のサイクルは崩れる。まずは睡眠が妨害されたときはつらかった。

夜目が覚めると、早朝まで眠れないことが多かった。

週末は家で何かをするというよりは、近くの図書館やカフェに行った。

週末は孫が来て、大騒ぎが始まるからだ。

つまり彼らが何かをする時間帯(特に朝と夕方)は外出するという作戦であった。

家にいない時間に休むという方法だ。

昼間は比較的彼らはいない。その時間は静かだ。

しかし、そんなことに気を使っているからか、精神的に日々の生活に活力が生まれてこない。

このことで、数十年間は苦しい時間を過ごした。

何度も「引っ越し」を考えては、振り出しにもどる。

職場が近くにあるということが大きかったことと、首都圏の物件は高いという2点だ足をとどめていた。

騒音問題の対処

結局、公的機関へと騒音問題解決へ始動した。その場所が

韓国環境公社が管理する층간소음이웃사이센터(層間騒音隣人センター:1661-2624)という機関だ。

층간소음 이웃사이센터

サイトにはまずは登録をする。そして、現在の被害状況などを入力する。

数日後センターからメッセージが届く。相手方の住所に騒音問題で被害を訴えている人がいる。その内容は「   」であるから騒音を減らすよう要請をしますというメッセージだ。これについて意義のない場合は、相手方に郵送で被害状況と騒音解決の要請を記したものを郵送することとなる。

そこには、相手方(騒音の加害者)へ訪問相談をするという内容があり、これを受け入れるかどうかが記述されている。これを相手方が受け入れれば、センターの職員が相手方を直接訪問する。もし拒否されれば、再度相手方に郵便が送られる。

それでも拒否され、かつ騒音が続く場合は、職員が現在被害を受けている家に赴き、騒音の音を測定することとなる。

私は万が一のこともあり、スマホやハンディカメラの録音機能で、騒音の音を録音した。これは非常に難しいことではあるが、騒音でトラブル発生時には必要なものらしい。そのこともあって、センターでは直接その騒音を測るという作業にでるのだろう。

さて私の場合はどうだったのだろうか。センターからの2度の郵送があったと思う。

しかし、現状は変わらなかった。きっとその郵便物は無視されたままだったのだろう。このように無視するケースがほとんどではないかと思う。

それでも、韓国環境公社が管理する層間騒音隣人センターという機関からの要請はある程度の効果はあると思う。法的に訴訟するというわけではないが、センターが仲介するということでは、何かしらのトラブルを未然に防いでくれると思われる。

現にセンターに問い合わせたところ、センターの仲介で改善した例はあったという。

引っ越しへと

結局、私は決断をした。「引っ越す」ということを。

首都圏は手の届かない価格ではあった。

だから、首都圏からやや離れてはいるが、高速列車KTXで40分ほどのところにある地方への移住を決断した。

そこから出勤している人もいるらしい。また、新都市が開発されつつあり、住むにはそれほど不便を感じないだろうという予想もあった。現に来てみてそれほどの不便はなさそうだ。ただ、やはり公共の交通とくに市内のバスの本数はすくないようだ。

韓国は車社会だからか、それほどバスや地下鉄を利用しないのだろうか。実際に来てみて思うのは、「車」の多さだ。

あらたな生活が始まる。

引っ越しの当日、偶然にも上階の住人と会った。その夫人は言った。

”私たちの騒音のせいで、引っ越すことになって。”と非常に申し訳なさそうに呟いていた。彼らが加害者であることは認めていた。そして

”ぜひお金持ちになって(成功して)くださいね”と韓国的な挨拶をしてくれた。

私は心の中ではどうして騒音で苦しんでいる人が下の階にいることと承知で、改善もしないで無視し続けたんじゃないか。やや複雑な思いをした。それでもその言葉が私に対する最大限の配慮であり、謝罪だったのなら、もう恨むことをしない。そして、立つ鳥後を濁さずで、今までのことを忘れつつ、新しいところで生きていくしかない。

そんなことを思って、数十年過ごしたアパートを去った。アパートの前にあった小さな空き地がなつかしかった。ここでよく体操したり、ベンチに佇んでいた。

騒音問題!

韓国だけでなく、日本でそして海外で、「騒音」問題で悩んでいる人に伝いえたいこと。

まずは直接訴えること。次に

公共の仲裁してくれる機関に要請すること。

それでも難しければ、「引っ越す」

韓国の建設業界では、現在この騒音のために、ある一定の防音対策がなければ建設できないようになったということだ。

住宅を建設する中で、やはりこのような防音対策は怠っていたのだろうと思う。

そうはいっても、人が住む社会。完全に騒音をなくすということはなかなかできないかもしれない。

すぐに山の中や、だれもいない過疎地に住むことは現実難しい。

都会の中で、人と共存しながら生きていく。

そんな中で被害を受けたと思えば、何かしらの意志を発信していくしかない。

あのベートーベンも騒音のために数十回の引っ越しを繰り返したという。

いつの時代も騒音問題はつきものだ。引っ越しの際にチェックすることは上下階にどんな人が住んでいるか。そして、そうントラブルがあったかどうか。それもかならずチェックすることだと思う。

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