今日は韓国社会の投資文化と今後について考えてみたい。
韓国の住宅事情は日本とは異なる。
特に住居としての役割だけではない。
日本は住居(マイホーム)を購入して、そこからローン返済となっていく。
しかし、韓国はもちろんマイホームという概念はあるが、そこに一生住んで、ローンを組むということは
少ない。
ほとんどの人は
いわゆる、高層アパートに住むこと。そこを転々と引っ越しをしながら、過ごしていく人が多い。
住まいの役割と同時に、アパートは投資の対象になっている。
つまり、アパートの一室を貸すことによって、収入を得る。
しかし、それは家賃収入ではない。
最近ではウォルセという家賃収入に移行しているが、
大金の保証金を受け取り、そこから得た大金を銀行に預金する。
その利子を得るという方法なのだ。
数十年前は10%以上の金利であったから、その利子で大家は収入を得、生活はできるということになる。
今は金利が下がって、チョンセの物件は少なくなってきた。
よって家賃(ウォルセ:月ごとの家賃の意味)に移行しているというのが現状だ。
それでもまだ、このチョンセという文化は根付いているとえる。
最近は商業施設である、「オフィステル」に投資の目が向いている。
どうしてなのだろうか。
住宅への投資熱
韓国はほとんどがアパートに住むことを望む。
では街に一軒家はあるのか。
あることにはあるが、アパートほどの受容はない。
人々は特に、商業施設が整い、交通の便のよい開発された都市に集まる。
そこは、アパートと商業施設、ショッピングモール、学校など
ありとあらゆるものがそろった都市なのだ。そのアパートを中心とした都市が
開発され、今ソウル近郊のあちらこちらにできている。
開発都市という。
その原動力となっているのが、地下鉄の新しい路線の建設と少なからず関わっている。
いや大学もそこを非常に意識して、キャンパスを作る。新設大学を作るといったほどだ。
今まで人が住んでいなかったところに、地下鉄が通る。となると
そこは開発都市に一変する。
住居だけの目的だけではない、そこが投資の場と様変わりする。
ほとんどがアパートを所有しつつ、かつ賃貸をすることで、あのチョンセやウォルセが生きてくる。
さらに最近はアパートと同時に
商業施設やオフィスの入る、「オフィステル」に注目が集まっている。
よく芸能人も「オフィステル」の一室を購入したとかいうニュースを耳にする。
人気のオフィステルは
開発の始まった地域だ。そしてほとんどが現代(ヒョンデ建設)のような大手企業が請け負っている。
アパートかオフィステルか
そんな中、投資をどこにするべきなのか。
この振興の新都市の場合、まず
地下鉄の路線ができる
それと同時に
市役所や裁判所のような公共機関が入るかどうか。
ここが決め手となる。
いくら商業施設が入るとはいえ、インフラが整備されているという条件は
公共機関となるようだ。
いま韓国はこのソウル近郊を中心に、開発された都市に人口が移っている。
政府は人口をなんとか分散させようとしているのだろう。
そんななか、どこに投資の矛先がいくのか。
これも韓国社会をみるのに、非常に興味深いものとなりそうだ。
アパートへの集中は人口密度が高くなる。
そうなると一坪あたりの土地の値段が高くなるのは必然だ。
ソウル近郊もそんな土地高騰となるのだろうか。
今韓国はソウルから1時間か2時間以内で通勤できる
京畿道が人々の住居となると同時に投資の場所となっている。
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