ある時女性の同僚の人から、あなたは生涯にわたってどんな人間になりたいですかと突然聞かれたことがあります。そのとき夢のことを聞かれていると思い、適当に自分の将来の夢を話しておきました。その一方で、その女性の同僚はこんなことをいいました。
「私の理想は賢母良妻です。賢母良妻という言葉は日本にもあるんですか」
私は最初この言葉を理解できませんでした。一つに、韓国語では漢字の順序が反対で、賢母良妻というのです。賢母良妻といわれて、すぐ理解できなかったのです。
すると、彼女はこのことについて、こういう意味ですと、教えてくれました。そこで、初めて、良妻賢母のことだとわかったのです。
さらに、日本では、女性が堂々と、良妻賢母という話をする人がいないようで、それもあってか耳慣れない言葉だと思い、すぐには理解できなかったのでしょう。
この良妻賢母ですが、よくよく考えてみると、韓国女性らしい言葉と思ったのです。一つは、賢母ですから、賢い母です。子供に対しては、賢い母であり、教育に対してはかなり熱がはいります。子供の教育を一手に引き受け、とても神経質になります。
次の、良妻ですが、読んで字のごとく、よき妻であろうとするのです。結婚して、愛が覚めて、子供も大きくなり、自分の時間で自由に生きることはできるのです。しかし、それで夫婦関係が終わりではなくして、結婚してもより良い妻として成長しつづける、そんな妻を理想としているのでしょう。もちろん、韓国の女性がすべてそうとは限らず、また、結婚後は女性に自由がなく、不満をもつ人も多いのは事実です。
しかし、こんな言葉が自然と口から出てくることに、不思議に思い、またそれが韓国の女性の理想像なのかもしれないと思ったのです。キャリアウーマンでバリバリの社会人であっても、家庭への自分が果たす役割を大切にしていることは、よく見られます。
私の家はどうかと振り返ってみました。良妻賢母という名にふさわしいかどうかはわかりませんが、一つ言えることは、男性、旦那をたてることはあると思ったのです。私の旦那がこの世の男の中で、一番優れているという考えです。もちろん、面と向かって文句をいったり、喧嘩もしたりはするのですが、外部の人に向かっては、誇らしげに話すことが多いということを感じたのです。いわゆる旦那を立てるということでしょうか。面と向かって傷つけることはあるかもしれませんが、知らないところで、けなしたりすることはないということです。
ただけなすことがあっても、それがあくまでも冗談というところで、本心ではそう思ってはいないのです。聞いている人もそれが冗談だと十分わかっているのです。
このことは、韓国の人と結婚してみないと、見えてこない側面なのかもしれません。単に、韓国の女性や芸能人をみてもわからない見えない姿かもしれません。
昔から、親孝行は謳われてきまいた。それと同時に忘れてはならないのが、「烈女」という言葉です。「烈女」は激しい女性という意味ではなく、操、節操を固く守る女性という意味です。見ず知らずの男性に犯されそうになったときには、短刀で自分を自害するということを教わったそうです。今はそんな人はいませんし、常に短刀を持ち歩いている人はいませんが、心のどこかには、節操を守るという観念はあります。
いつかは結婚する新郎のために、自らの体が犯されないことなのです。それは良妻であるために、必ず守らなければならない、約束でもあるようです。
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