今日は韓国の観光や一人旅で事前の知識として知っていると、旅が数倍楽しくなる、ソウルの4大門と5大王宮について話していきたいと思います。
東大門、南大門、そして景福宮という名前はもう何度もの耳にしています。
これからは、そんな観光地について成立した背景をしることも、ドラマや観光する上で欠かせないのではないでしょうか。
ではまず、4大門から行きましょう。
1.ソウルの4大門
結局のところ、韓国つまり朝鮮は儒教哲学からすべての名前や配置が決定されています。
その儒教の徳目を言えば、仁、義、礼(禮)、智、そして信です。
「仁」とは、人を思いやること
「義」とは、私欲にとらわれず、なすべきことを行うこと
「礼(禮)」は、上下関係を重んじ、謙遜にふるまうこと
「智」は、文字通り道理をよく知ること。学問を追求すること。
最後の「信」は、朋友の約束を守ること。
私個人的にこのことが当てはまる民族は、日本民族ではないかとつくづく思ったりしました。哲学を大成したのは朝鮮かもしれませんが、それを余すところなく
実践に移したのは、日本の武士や商人だったのかもしれませんね。
さて、まずこの仁ですが、仁のつく門は東大門です。別名を
興仁之門というそうです。市場は興仁市場といいます。
実は東大門は韓国の宝物1号なのです。そして国宝は南大門です。
では次に義ですが、これは
西大門です。いまはありません。が西大門の駅はります。独立門がそびえたっていますね。ここも別名を敦義門というそうです。
禮はどこでしょうか。これは南大門で別名を崇禮門といいます。この名前は聞いたことがあると思われます。南大門は市場で有名ですが、門は国宝第一号なんですね。
北は弘智門というのですが、智がはいることで、民衆が智をつけるのはよくない?ということで、名前が粛靖門に変わりました。どうして民衆が智をつけてはいけないのでしょうか。智は両班の特権だったのでしょうか。
日本と違うところですね。日本では天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといえりという学問の自由をうたいます。民衆の識字率は相当高かったのです。
そうして日本人がこの儒教の徳目を身に着けているかわかるようです。
最後に信ですが、これはソウルの鍾路にある鐘、普信閣という鐘に着けられてます。
3・1独立運動の時にここから宣言文を読みあげたそうです。また、除夜の鐘のように年末にこの鐘をならします。
4つの門をくぐりながら、常に自らがこの5つの徳目を実践しているかを確認することを願ったのでしょう。
2.朝鮮の祭祀
さて、韓国では固有の宗教を祀ることはあるのでしょうか。実際は神話にでてくる「檀君タングン神話」から天を祀るということがあります。しかし、
天を祀るのは唯一皇帝だけということもあり、その時の皇帝は明の皇帝でした。よって、歴代の祭祀だけをおこない、先祖の祭祀を宗廟というところで行うようになりました。ここは19人の王と49人の王妃などが安置されているようです。
また、社稷洞という土地の神と穀物の神をまつる祭壇があります。よって王は常に
この二つ、つまり祭祀と社稷を行う義務があったのです。ドラマにも
”王様、どうか宗廟社稷を考慮してください”と臣下が提案する場面があるのです。
3.ソウルの5大王宮
最後に、5大王宮です。
まずなによりも景福宮です。
これは、文禄の役の時に、ソンジョ(宣祖)が北に逃げるなかで、民衆が燃やしてしまったというものです。景福の福は天下に福をもたらすという意味があります。
これによって正宮が昌徳宮に移ります。文禄の役以降はここで王は住居を構えます。韓国では生涯必ず行くところとされている、美しい場所です。
自然の地形や風景と調和するようにできているといいいます。特に秘苑がみどころです。
その横に昌慶宮があります。ここは9代王の成宗の時に母や王妃のために安らかに過ごされるようにということで、創建されました。
日本の植民地以降は植物園と動物園となり、デートの名所だったといいます。桜の木もたくさん植えられて、まるで日本庭園のようだったといいます。
次に西にある慶熙宮です。慶熙大学という私立の大学がありますが、ここから名前をつけたといいます。もともとは李成桂の家があったところだそうです。
16代の仁祖から哲宗までが住んだそうで、とくに21代王の英祖が長く住んだろころです。
ここは王宮が私立大学の東国大学に移転されたようです。私も以前図書館を利用しに、東国大学にいきました。仏教系の大学です。
さらに興化門という門は新羅ホテルの門になったそうです。たしかに、新羅ホテルにいきましたが、どうしてここに王宮の門があるのか、不思議に思ったことがあります。
最後に徳寿宮です。ここは何よりも高宗が住んだところで、西洋風の建物が混在してますね。もともとは慶運宮といったそうです。
ここで、高宗は大韓帝国を内外に宣布しました。
ソウルの観光や散策はやはり宮殿に入って風景を楽しむところにあると思います。すべてを回ることは難しいので、一つか二つに絞って回るのがいいと思います。
オススメなのは昌徳宮と徳寿宮でしょうか。
儒教の影響か、徳という字が多く使われてます。徳を高め、人格者になることを願った朝鮮時代の人々の思いが感じられます。
名前に託された思いをかみしめながら、歩いてみることをお勧めします。
きっと日本人はこのことを生活で実践しているので、心にしみるのではないかと思います。
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